いろいろ実験

その2:実用新案登録出願をしてみた

はじめに 少し前から工作をしていたが、巣ごもりの過程で実用新案登録出願をしてみようということになった。特許でもいいのだが、特許になるとお金もかかりそうだしいわゆる「新規性」がどこまで認められるかアヤシイところもあったので、出しっぱなしでもよい実用新案にころぶことにした。試みの中には個人出願をインターネットでどこまで行えるかという興味もある。幸い?にも定額特別給付金がおりたおかげで資金は潤沢だ。やるなら「今でしょ」である。

前提条件 今回はインターネット出願であるので、マイナンバーカードとカードリーダーを持っていることは前提条件である。先日の特別給付金もネット申請ができたおかげで、多少なりともひと様より早く着金したようだ。世間にはいろいろプライバシーがどうのこうの言っている人がいるが、すでに運転免許証番号や携帯電話番号なんかで相当な名寄せが進んでいるのでいまさら何を言わんかである。T-POINTとかSNSもそうだろう。私は行ったことないが、レンタルビデオ屋とかで借りたことある貴方はおそらくどんな嗜好を持っているなんてのは丸裸になっていると思うのだ(たとえば〇乳好きとかね)。なお、情弱の私はレンタルビデオ屋とかT-POINTとかは一切無縁である。

ソフトの導入 ネット出願を決心したらまずこのページにたどりつく必要がある。「はじめての方」へというところを見てみるがよくわからない。すでに確定申告とかをやった人なら出願ソフトをインストールする必要がある。このソフトのインストールはなぜかメールアドレスを登録?してそこからひみつのリンクを教えてもらう必要がある。最初米国系のフリーアドレスを入力したところ「フリーのメアドはだめよ」と怒られた(電波利用電子申請やe-taxではこのアドレスで問題がなかったのに)が、そのあとyahoo.co.jpのアドレスを入れたらスンナリ「電子出願ソフトダウンロード請求」さんからリンクを教えてもらえた。ソフトのインストール自体は問題ないだろう。

実用新案の書き方 ソフトが入ったら今度は出願の中身だ。明細書がなければ意味がない。ここは実用新案登録出願書類の書き方ガイドが有益だと思われる。ぜひとも気張って思いのたけを明細書に書いて欲しい。

出願書類の作成 出願書類はひな型を利用することができる。私の場合ここで驚いたのは、今までMS-Wordで作成していたのだが、出願書類はhtml形式であることである。実際にはWordを立ち上げてhtmlでセーブするだけだが少し面食らった。ひな型はダウロードでき、インストールするとデスクトップにフォルダができた。いまひとつ気持ち悪いがこれを使って2101_実用願(電子現金納付).htmを作成した。また、インターネット出願ソフトを立ち上げると予納台帳やら識別番号の登録が必要である。これらは実用願に記載する必要がある。もちろん代理人なんて立てるお金はないので全部削除である。

納付番号の取得 出願願いに際して電子現金納付(いわゆるペイジー)を利用したいあなたはあらかじめ納付番号を取得しておく必要がある。書き方の例をみたら0000-0000-0000-0000でもよさげに見える。後日親切な役所が改めて納付番号と金額を教えてくれて「払ってください」と来るのかとおもったがどうやらそうではないらしい。私の場合一度実用新案登録願をインターネット出願で送信したあと、後日このことを知ったのでインターネット出願ソフトの補助手続補正書を提出することになった。手数料は請求項の数などによって変わるが、ちゃんと計算できるページが用意されている。このページで計算した金額をインターネット出願ソフトの「補助」⇒「納付番号取得」でゲットすればペイジーへゴー。

特許庁の反応 ひな型を参照して出願書類を作成(納付番号を取得しておく)し、html形式にしたらインターネット出願ソフトを使って出願である。ただし、お作法に従っていないとエラーが出るので何度か修正が必要だった。エラーが消えたら「オンライン出願」タブを押して無事出願である。出願したあとメールか何かで「おめでとうございます」とか「毎度ありい」なんてメッセージが来るかと思ったが、反応がない。本日5/29現在特許庁からは立派な封筒に入った「予納台帳番号通知書」とシールはがきの「識別番号通知」が送られてきている。どっちもメールで送ってくれればと思うのだが。このあとどうなるのかは逐次報告できればと思う。

その1:蓄電池運用の考察


はじめに 最近移動運用で鉛蓄電池を使っている。いままで複数日にわたる長距離移動運用では発動発電機を持って行った。しかし近年の諸般の事情で燃油調達が難しくなったり、運転時の騒音などの問題もあり運用がはばかられることもある。特に、公園や道の駅ではその傾向が強い。そこで鉛蓄電池のみを使った移動運用がどの程度できるのか実験を行い考察してみた。想定する運用は一日数か所移動しながら朝から晩まで移動運用をするものである。

構成 自分が使っているバッテリシステムを紹介する。使用しているのは日立化成株式会社のサイクルサービス用鉛蓄電池HIC-80である。主に電動フォークリフトなど放電電気量が大きい用途向けである。公称容量は5時間率で60Ahである。質量は27キロあり、正直重い。さらにひとつ上のサイズになると質量は35キロとなるのですでにハンドリングできる範囲を超えて(労働基準法62条、通達)しまう。バッテリの電圧は12Vなので、現在使用しているトランシーバーIC-7000 の説明書を読むと12Vのままでも使えないことないが、DC/DCコンバーターを使用している。IC-7000は定格電源電圧が13.8V±15%であるが、電源電圧の変動にシビアなようで、電圧が少しでも低下するとトランシーバーの電源が落ちてしまうためだ。このほかに「補機」として太陽電池パネルを接続できるようにしている。充電コントローラーには電菱のSA-BA20を使っている。これにパネルはSUNYOの20Wを接続している。最大日射で1.16A程度の充電電流が取れる。

全体の構成 SS-5とDC/ACは使いまわす
左上にあるのがDC/DCコンバーター

実際の運用 移動先に8時前後に到着。運用を1時間から1時間半ほど行う。運用中はバッテリからトランシーバーとラップトップPCに対して電源を供給している。運用時に陽が出ていたら太陽光パネルを使って補充電を行う。そのあと次の場所に30分前後かけて移動。移動中はDC-ACコンバーターを使ってバッテリの補充電を行うことがある。最大で5Aほど充電ができる。このような運用を午前中2か所午後2か所で運用を行ってから投宿。バッテリは台車で部屋に運び込み、19時から10時間ほど充電する。翌日分の電気を確保する。実際の運用では夕方になるとバッテリの電圧が低下し、DC-ACコンバーターや充電コントローラーからワーニングが出る。この時点で端子電圧は11.7V程度まで低下しているようだ。(SA-BA20は11.8Vから警告のランプが点灯する) 注:私はCWの運用しかしないので、SSBだともう少し運用時間が伸びるのではないだろうか

考察 ①バッテリの残容量について バッテリの容量を知るためには端子電圧か比重をみるしかなさそうである。(他に知っていたら教えてください)いちいち比重計で測るのはナンセンスであるので結局電圧をテスタでみるほかないだろう。今回は帰宅した時点で端子電圧を測定したところ11.6Vを示していた。HIC-80の取説には次のような放電特性のグラフが載っている。

11.6Vとグラフの交点から持続時間3.5hを得る 3.5hX0.2X60Ah/5=42Ah程度の容量を使用したと仮定する

このグラフから5時間率で放電した場合、端子電圧11.6Vに至るには3.5時間かかることがわかる。トランシーバーの食う電流は平均10Aとして5時間率を当てはめると、この間に放電された電荷は3.5X0.2X60/5=42Ahとなる。(実際には間欠運用しているからもうちょっとゆるやかだと思う)

②放電シミュレーション ①では平均10Aとした。使っているIC7000Mの取説では100W機の最大消費電流が22Aと記載されているだけで、50W機については記載されていない。また、トランシーバー以外にチューナーやパソコンも若干電気を食っている。おおざっぱに送信時15A、受信時3Aとして計算してみた。私は電信しか出ないことと、普段は呼びに回らない運用スタイルである。おおざっぱに送信75:受信25としておこう(素振りが多いのだ)。さらにフルブレークイン運用をしているため、送信中とは言え、実際には符号と符号の間は受信している。JAのコールサインはJやら2やらがあるのであまりあてにはならないが代表的なPARISを当てはめてみると。PARIS1回で合計49短点分、このうち送信が22短点分、受信が27短点分となった。つまり運用時間中受信しているのは25%+35%=60%。送信40%。1時間あたりの消費電流は平均7.8Aと計算した。さきほどの42Ahの電荷を割ってやると、運用可能時間は5.3時間にある。実際には一日に4か所ほど運用地を変えて、それぞれの移動時間に1時間ほどかけることになるとすると合計8.3時間ほどになり、朝8時からスタートして17時ころに終了しているので実際の状況にあっていると思われる。

③充電シミュレーション 一方で一日に使用した42Ahを充電する場合を考えてみる。今持っている充電器は5Aほど充電電流を取り出せる。充電によって端子電圧が上昇すると充電電流が下がってくるので計算が難しいが、仮に充電開始時を5A。平均3Aで充電してやるとすると42Ahを充電するには14時間かかる計算になる。つまり宿に19時投宿したら翌朝の9時ころまでは充電したいところだ。

セルスター SS-5 10年選手だ

対策 以上のことから現在の運用では充電収支がうまくつかない可能性がある。特に最終日は充電が間に合わなくなってせっかくの3.5MHzでの運用が途中で終わってしまった。考えうる対策としては Ⅰ)運用中も補機として太陽光パネルで充電を行う Ⅱ)バッテリ充電器を強力なものに交換する Ⅲ)送信電力を落とす などが考えられる。 Ⅰについては現在の太陽光パネルから取り出せる電流が最大で1Aちょっとであることと、おひさまの影響をモロに受けるのであまりよい方法だとは言えない。パネルの出力を増やすという手もあるが、これだと面積と重量がでかくなるためハンドリングの問題が出てくるだろう。Ⅱについては現在使用している充電器の電流が5Aである。これは小型自動車のバッテリを想定しているものなので、60Ahの容量を充電できるようなでかいやつに交換するのは効果があるだろう。Ⅲについては仮に送信出力を50Wから30Wに落として送信時の消費電流を15Aから10A程度に下げたと仮定すると1時間の平均電流は7.8Aから5.8A程度まで減る。このとき42Ahで運用できる時間は7.2時間程度になるため、運用時間は3割ほど伸びることが期待できそうだ。もっとも普段でも非力な移動局でどこまで我慢できるかという大きな課題が残るだろう。

結論 以上から①現在の運用形態では1日に5時間ほど運用できること②充電で回復させるためには14時間かかることがわかった。充電収支を保つためには運用時間を削るか、パワーを絞るかどちらかの選択になる。一方で現在のシステムではバッテリ端子が11.6Vを下回るケースがないので、サイクルバッテリーにたいして致命的な過放電は起きてないものと思われる。運用ができなくなる時点でもまだ18Ah程度の電荷がバッテリの中に残されている。